ブログをご覧の皆様、こんにちは。
コトポッター店主の横山です。
美濃焼や有田焼、信楽焼など全国的に有名な陶芸の産地は多くあります。
陶芸とは関わりのない業種の方のお話すると、多くの方が”清水焼”を「しみずやき」と呼ばれます…。
清水焼はまだまだ一般的とは言いづらいような気がいたします。
改めて、清水焼は日本の焼き物の中でどういった立ち位置なのか振り返って考えました。
1. 現在の清水焼のシェア
清水焼は、他の産地に比べると生産量が少ないものの、国内の陶磁器市場で高級品として評価されています。
特に、美濃焼などが大量生産で市場を広く占めるのに対し、清水焼は手作りにこだわることで少量生産を維持しています。
清水焼に従事する職人の数も限られており、生産量が低いため、主に陶芸愛好家や高級飲食店に支持されています。
生産の規模は小さいものの、手作りの品質と独自のデザインで特別な価値を持っています。
2. 和食器としての清水焼
清水焼は、寿司屋や料亭といった高級飲食店で使用されており、料理を引き立てる器として高く評価されています。
その繊細な造形や色彩が、和食の美しさを強調し、料理全体の演出に貢献しています。
また、料理にこだわりを持つ家庭でも、日常の食器として清水焼が愛用されており、食卓に彩りを与える存在です。
こうした器は、和食だけでなく洋食の盛り付けにも対応でき、料理を特別なものに変える力があります。
3. 現代美術の清水焼
現代の清水焼は、美術品としても評価が高く、国内外の陶芸展で活躍しています。
例えば、著名な陶芸家である今井政之は、独自の技法を駆使し、日展での受賞や文化勲章の受章を果たしています。
また、清水卯一は「鉄釉陶器」の技術で高く評価され、人間国宝としての地位を確立しています。
こうした陶工たちは、伝統を守りながらも新しい表現を追求し、現代の清水焼を代表する存在となっています。
今井政之 紹介 ※別リンク
清水卯一 紹介 ※別リンク
4. 海外からの評価
清水焼は、国内だけでなく海外でも高く評価されています。
近藤高弘は、独自の銀滴彩技法を用いた作品が欧米の美術館に収蔵されるなど、国際的な評価を受けています。
また、歴代の清水六兵衛家も、国際的な展覧会に参加し、清水焼の技術を世界に広めてきました。
こうした活動を通じて、清水焼は海外市場でも確固たる地位を築いています。
近藤高弘 紹介 ※別リンク
清水六兵衛 紹介 ※別リンク
まとめ
いかがだったでしょうか。
清水焼は、少量生産ながらも国内外で高い評価を得ており、高級和食器としても美術品としても一定の評価を得ています。
伝統を大切にしながらも、現代の陶工たちは新たな技法や表現を追求し続けており、その結果、国内外で評価が高まり続けています。
一方で、その芸術性とは裏腹に生産量の少なさから一般的に浸透しているとは言いづらい現状です。
コトポッターでは微力ながら清水焼の知名度が少しでも向上できればと考えています。