京焼・清水焼の世界
千年の都を彩ってきた工芸品。
京都の焼き物 京焼・清水焼。
京焼の技
京焼・清水焼には繊細な技が息づく。
丹念に磨き上げた技で土と釉薬を巧みに操る。
一つのうつわから京焼・清水焼の文化を垣間見る
清水焼の美
"京都らしい”とは進化と革新の文化。
伝統文様と新たに創出された図案が共存し、デザインは日々進化する。
進化と革新を繰り返し、文化を鮮やかに彩る京焼・清水焼の美。
京焼・清水焼の世界
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専門家と考える乾山 4/4 ~乾山企画展の裏側とこれからの乾山~
インタビュイー:畑中章良 さん(MIHO MUSEUM 学芸部長) 「信楽—壺中の天」(1999)「乾山—幽邃と風雅の世界」(2004)、「古陶の譜—中世のやきもの」(2010)などの特別展を担当。企画立案された乾山料理写真集『美し(うまし うるはし)乾山 四季彩菜』は、「グルマン世界料理本大賞」写真部門でグランプリ(2006)とベスト・オブ・ザ・ベスト(2008)20年間のベスト・オブ・ザ・ベスト2015を受賞。 インタビュアー:横山雅駿(コトポッター店主) Q.MIHO MUSEUM 伝説的な企画展の裏側 横山:ここまで学術的な乾山のお話しをお伺いしてきましたが、やはり畑中さんに一番お伺いしたいのは2004年の企画展「乾山—幽邃と風雅の世界」のお話しです。この企画展の開催にあたっては相当な労力をかけられたと思います。 畑中さん:この展覧会に至るきっかけが、MIHO MUSEUMの乾山コレクションなんですよね。まとまったコレクションがあったので、それと集められるものを見せた展覧会をしたいと創立者の小山美帆秀子さんに相談して、企画展に繋がっていきます。しかし、その間に9.11もあったりして、「飛行機で運べへんのちゃうんか」とか色々心配しましたね。 ※9.11・・・2001年9月11日 アメリカ同時多発テロ事件。 (「乾山—幽邃と風雅の世界」の図録本には海外の美術館やコレクターの名前がずらりと並ぶ。) 横山:海外からもたくさんの作品を借りてきたのですね。 畑中さん:そうですね。乾山の研究しているリチャード・L・ウィルソンさんがいて、誰にコンタクトを取るべきかを教えてもらいました。それで、海外にある乾山の作品を調査することになりました。 ※リチャード・L・ウィルソン・・・乾山研究の第一人者。企画展の図録本にも寄稿。 横山:海外まで調べるのは大変そうですね。 畑中さん:3年くらいかかりました。その間にアメリカのダラスベル美術館から乾山を借りたり、世界2周くらいして各地に行って調査してきました。 横山:すごいですね。海外にも乾山の作品がたくさんあるんですね。 畑中さん:はい、ハワイにもデンマークにもありますよ。乾山の作品は世界各地の美術館で展示されています。いいコレクションを見つけても、もちろんすべての美術館が協力してくれるわけではなく、断られることもありましたよ。 横山:3年で世界2周…大変でしたね。 畑中さん:はい、でも面白かったですよ。行った先でいろいろ食べるものや見るものがあって、こういうきっかけがないと、なかなか行けないですからね。 横山:この企画展の時、私は中学生だったので、乾山のことも知らず見られなかったのが悔やまれますが、図録本として世界中の乾山の作品を見れるようにしてくれたことは凄くありがたいです。今でも参考に見ることが多いです。 Q.乾山と和食、現在も評価される乾山のうつわ 画像:美し 乾山...
専門家と考える乾山 4/4 ~乾山企画展の裏側とこれからの乾山~
インタビュイー:畑中章良 さん(MIHO MUSEUM 学芸部長) 「信楽—壺中の天」(1999)「乾山—幽邃と風雅の世界」(2004)、「古陶の譜—中世のやきもの」(2010)などの特別展を担当。企画立案された乾山料理写真集『美し(うまし うるはし)乾山 四季彩菜』は、「グルマン世界料理本大賞」写真部門でグランプリ(2006)とベスト・オブ・ザ・ベスト(2008)20年間のベスト・オブ・ザ・ベスト2015を受賞。 インタビュアー:横山雅駿(コトポッター店主) Q.MIHO MUSEUM 伝説的な企画展の裏側 横山:ここまで学術的な乾山のお話しをお伺いしてきましたが、やはり畑中さんに一番お伺いしたいのは2004年の企画展「乾山—幽邃と風雅の世界」のお話しです。この企画展の開催にあたっては相当な労力をかけられたと思います。 畑中さん:この展覧会に至るきっかけが、MIHO MUSEUMの乾山コレクションなんですよね。まとまったコレクションがあったので、それと集められるものを見せた展覧会をしたいと創立者の小山美帆秀子さんに相談して、企画展に繋がっていきます。しかし、その間に9.11もあったりして、「飛行機で運べへんのちゃうんか」とか色々心配しましたね。 ※9.11・・・2001年9月11日 アメリカ同時多発テロ事件。 (「乾山—幽邃と風雅の世界」の図録本には海外の美術館やコレクターの名前がずらりと並ぶ。) 横山:海外からもたくさんの作品を借りてきたのですね。 畑中さん:そうですね。乾山の研究しているリチャード・L・ウィルソンさんがいて、誰にコンタクトを取るべきかを教えてもらいました。それで、海外にある乾山の作品を調査することになりました。 ※リチャード・L・ウィルソン・・・乾山研究の第一人者。企画展の図録本にも寄稿。 横山:海外まで調べるのは大変そうですね。 畑中さん:3年くらいかかりました。その間にアメリカのダラスベル美術館から乾山を借りたり、世界2周くらいして各地に行って調査してきました。 横山:すごいですね。海外にも乾山の作品がたくさんあるんですね。 畑中さん:はい、ハワイにもデンマークにもありますよ。乾山の作品は世界各地の美術館で展示されています。いいコレクションを見つけても、もちろんすべての美術館が協力してくれるわけではなく、断られることもありましたよ。 横山:3年で世界2周…大変でしたね。 畑中さん:はい、でも面白かったですよ。行った先でいろいろ食べるものや見るものがあって、こういうきっかけがないと、なかなか行けないですからね。 横山:この企画展の時、私は中学生だったので、乾山のことも知らず見られなかったのが悔やまれますが、図録本として世界中の乾山の作品を見れるようにしてくれたことは凄くありがたいです。今でも参考に見ることが多いです。 Q.乾山と和食、現在も評価される乾山のうつわ 画像:美し 乾山...
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専門家と考える乾山 3/4 ~文人・乾山が焼き物に込めた意味とは?~
インタビュイー:畑中章良 さん(MIHO MUSEUM 学芸部長) 「信楽—壺中の天」(1999)「乾山—幽邃と風雅の世界」(2004)、「古陶の譜—中世のやきもの」(2010)などの特別展を担当。企画立案された乾山料理写真集『美し(うまし うるはし)乾山 四季彩菜』は、「グルマン世界料理本大賞」写真部門でグランプリ(2006)とベスト・オブ・ザ・ベスト(2008)20年間のベスト・オブ・ザ・ベスト2015を受賞。 インタビュアー:横山雅駿(コトポッター店主) Q. 乾山と琳派 横山:ここまでのお話しで乾山の作陶や背景が少しづつわかってきました。続いては琳派との関係についてもお伺いできればと思います。さきほど「琳派は幕府に対する反発」とおっしゃっていましたが、どういったことでしょうか? 畑中さん: 秀吉の頃は京都、大阪が日本の中心でしたけど、江戸時代になると向こうに江戸になってしまう。東の方に政治の中心を取られちゃったわけですよ。琳派は絵で文化の中心は京都だということを示したんです。 洛中洛外図屏風 所蔵:九州国立博物館 画像:Colbase 乾山の生きた時代、寛永年間(一六二四~四五)の京都の景観 横山:すごい口が悪いんですけど、「江戸なんて田舎」って意味でしょうか? 畑中さん:京都の人っていやらしいって言うじゃないですか。思っていることもはっきり言わないとか言うんですけど、本音と言っていることが違うっていうね。それも一つの文化で千年以上続いています。思っていることを露骨に言わずに見せるとかね。ぶぶ漬け(お茶漬け)なんて有名じゃないですか?実は私も体験したことがありますが(笑)。 (ぶぶ漬け。京都では客人にお茶漬けを出し、退室を促すという意味があるとかないとか) 横山:私は京都生まれではないですが、なんとなくおっしゃることはわかります(笑)。 畑中さん:ね(笑)。はっきり言わなくても伝わるという、角を立てないという独特の人間の作り方が京都のね、やっぱり間口が狭くて奥が深いという文化だと思うんですよね。それで出来上がっていくのが、いわゆる琳派のスタート。ある意味で都の人としてのプライド。それを秘めていると思いますよね、乾山とか琳派の作品というのはね。 Q. 乾山焼にこめられた意味 横山:個人的にすごい気になっていたのが、乾山の作品に描かれている漢詩や和歌。あれらはすべてどこかからの引用なのでしょうか? 畑中さん:ほとんど出典があるんですよ。乾山の父親から譲り受けた書物もたくさんあり、自ら手に入れたものもあるでしょうし、膨大な書物をもっていたと思います。 横山:例えば、乾山が参考にしていた書物にはどのようなものがありますか? 畑中さん:円機活法という本が有名ですけど。あの本をよく読んでいたと思います。だいたい角皿など銹絵の作品、あれに漢字の詩が入っているのは、そこから引っ張っているのが多いんですよね。また、和歌も三条西実隆が書いた室町時代の歌集から引っ張ってきていることが多いんですね。自作がゼロというのは言い切れませんが、だいたいそこから引っ張ってきているのが多いですね。 源氏物語 紫式部 画像:Colbase...
専門家と考える乾山 3/4 ~文人・乾山が焼き物に込めた意味とは?~
インタビュイー:畑中章良 さん(MIHO MUSEUM 学芸部長) 「信楽—壺中の天」(1999)「乾山—幽邃と風雅の世界」(2004)、「古陶の譜—中世のやきもの」(2010)などの特別展を担当。企画立案された乾山料理写真集『美し(うまし うるはし)乾山 四季彩菜』は、「グルマン世界料理本大賞」写真部門でグランプリ(2006)とベスト・オブ・ザ・ベスト(2008)20年間のベスト・オブ・ザ・ベスト2015を受賞。 インタビュアー:横山雅駿(コトポッター店主) Q. 乾山と琳派 横山:ここまでのお話しで乾山の作陶や背景が少しづつわかってきました。続いては琳派との関係についてもお伺いできればと思います。さきほど「琳派は幕府に対する反発」とおっしゃっていましたが、どういったことでしょうか? 畑中さん: 秀吉の頃は京都、大阪が日本の中心でしたけど、江戸時代になると向こうに江戸になってしまう。東の方に政治の中心を取られちゃったわけですよ。琳派は絵で文化の中心は京都だということを示したんです。 洛中洛外図屏風 所蔵:九州国立博物館 画像:Colbase 乾山の生きた時代、寛永年間(一六二四~四五)の京都の景観 横山:すごい口が悪いんですけど、「江戸なんて田舎」って意味でしょうか? 畑中さん:京都の人っていやらしいって言うじゃないですか。思っていることもはっきり言わないとか言うんですけど、本音と言っていることが違うっていうね。それも一つの文化で千年以上続いています。思っていることを露骨に言わずに見せるとかね。ぶぶ漬け(お茶漬け)なんて有名じゃないですか?実は私も体験したことがありますが(笑)。 (ぶぶ漬け。京都では客人にお茶漬けを出し、退室を促すという意味があるとかないとか) 横山:私は京都生まれではないですが、なんとなくおっしゃることはわかります(笑)。 畑中さん:ね(笑)。はっきり言わなくても伝わるという、角を立てないという独特の人間の作り方が京都のね、やっぱり間口が狭くて奥が深いという文化だと思うんですよね。それで出来上がっていくのが、いわゆる琳派のスタート。ある意味で都の人としてのプライド。それを秘めていると思いますよね、乾山とか琳派の作品というのはね。 Q. 乾山焼にこめられた意味 横山:個人的にすごい気になっていたのが、乾山の作品に描かれている漢詩や和歌。あれらはすべてどこかからの引用なのでしょうか? 畑中さん:ほとんど出典があるんですよ。乾山の父親から譲り受けた書物もたくさんあり、自ら手に入れたものもあるでしょうし、膨大な書物をもっていたと思います。 横山:例えば、乾山が参考にしていた書物にはどのようなものがありますか? 畑中さん:円機活法という本が有名ですけど。あの本をよく読んでいたと思います。だいたい角皿など銹絵の作品、あれに漢字の詩が入っているのは、そこから引っ張っているのが多いんですよね。また、和歌も三条西実隆が書いた室町時代の歌集から引っ張ってきていることが多いんですね。自作がゼロというのは言い切れませんが、だいたいそこから引っ張ってきているのが多いですね。 源氏物語 紫式部 画像:Colbase...
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専門家と考える乾山 2/4 ~乾山焼はどのように受け入れられた?~
インタビュイー:畑中章良 さん(MIHO MUSEUM 学芸部長) 「信楽—壺中の天」(1999)「乾山—幽邃と風雅の世界」(2004)、「古陶の譜—中世のやきもの」(2010)などの特別展を担当。企画立案された乾山料理写真集『美し(うまし うるはし)乾山 四季彩菜』は、「グルマン世界料理本大賞」写真部門でグランプリ(2006)とベスト・オブ・ザ・ベスト(2008)20年間のベスト・オブ・ザ・ベスト2015を受賞。 インタビュアー:横山雅駿(コトポッター店主) Q.当時の乾山焼の価値 横山: 乾山の作品は、今では十分に価値が認められていると言われていますが、当時の人々の目にはどれくらい価値があったのか気になります。やはり、一部の人しか手に入れられない高級品だったのでしょうか? 畑中さん: そうですね。京都以外の地域から入ってきた普段使いのお茶道具などは町の人々が手に入れたと思いますが、乾山の作品は少し違います。一つはお兄さんとの合作は持っていれば自慢できるものだったと思います。 銹絵牡丹図角皿 光琳画 所蔵:MIHO MUSEUM 画像:乾山~幽邃と風雅の世界~ MIHO MUSEUM 横山: それは当時、かなり価値が高かったということですね。 畑中さん: はい、実際、京都の有名人を集めた本に乾山の名前が出てきます。その本には、有名な絵師・円山応挙や伊藤若冲などが登場し、乾山もその中に名を連ねています。つまり、そういう著名人が作ったものを持っていると、ちょっと自慢できるというような感覚があったのでしょう。 丸山応挙 桜花図 所蔵:東京国立博物館 画像:Colbase 横山: 乾山の陶芸作品は名だたる絵師たちの作品に並ぶ、一種のブランド品だったわけですね。 畑中さん:乾山の生家・雁金屋は東福門院などを顧客とする皇室御用達的な呉服屋でした。兄・光琳の絵もそうですが、雁金屋の御曹司が焼き物をつくるというのはすごいインパクトがあったと思いますよ。当時のひとたち憧れの品だったんじゃないでしょうか。...
専門家と考える乾山 2/4 ~乾山焼はどのように受け入れられた?~
インタビュイー:畑中章良 さん(MIHO MUSEUM 学芸部長) 「信楽—壺中の天」(1999)「乾山—幽邃と風雅の世界」(2004)、「古陶の譜—中世のやきもの」(2010)などの特別展を担当。企画立案された乾山料理写真集『美し(うまし うるはし)乾山 四季彩菜』は、「グルマン世界料理本大賞」写真部門でグランプリ(2006)とベスト・オブ・ザ・ベスト(2008)20年間のベスト・オブ・ザ・ベスト2015を受賞。 インタビュアー:横山雅駿(コトポッター店主) Q.当時の乾山焼の価値 横山: 乾山の作品は、今では十分に価値が認められていると言われていますが、当時の人々の目にはどれくらい価値があったのか気になります。やはり、一部の人しか手に入れられない高級品だったのでしょうか? 畑中さん: そうですね。京都以外の地域から入ってきた普段使いのお茶道具などは町の人々が手に入れたと思いますが、乾山の作品は少し違います。一つはお兄さんとの合作は持っていれば自慢できるものだったと思います。 銹絵牡丹図角皿 光琳画 所蔵:MIHO MUSEUM 画像:乾山~幽邃と風雅の世界~ MIHO MUSEUM 横山: それは当時、かなり価値が高かったということですね。 畑中さん: はい、実際、京都の有名人を集めた本に乾山の名前が出てきます。その本には、有名な絵師・円山応挙や伊藤若冲などが登場し、乾山もその中に名を連ねています。つまり、そういう著名人が作ったものを持っていると、ちょっと自慢できるというような感覚があったのでしょう。 丸山応挙 桜花図 所蔵:東京国立博物館 画像:Colbase 横山: 乾山の陶芸作品は名だたる絵師たちの作品に並ぶ、一種のブランド品だったわけですね。 畑中さん:乾山の生家・雁金屋は東福門院などを顧客とする皇室御用達的な呉服屋でした。兄・光琳の絵もそうですが、雁金屋の御曹司が焼き物をつくるというのはすごいインパクトがあったと思いますよ。当時のひとたち憧れの品だったんじゃないでしょうか。...
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専門家と考える乾山 1/4 ~MIHO MUSEUM・畑中さんに聞く!乾山とは?~
ブログをご覧の皆様。こんにちは。 コトポッター店主の横山です。 現代まで続く京焼・清水焼の基盤を作った江戸時代の陶工・尾形乾山。 日本陶芸の発展に絶大な影響を与え、独自の世界観を陶芸で表現してきた陶工です。 コトポッター「京焼・清水焼の世界」では、これまで乾山に関わる記事をいくつか掲載してきました。 尾形乾山の生涯と足跡をめぐる 今回は京都の乾山の足跡をめぐりながら、乾山の生涯を回想していきたいと思います。 続きを読む 京焼・清水焼の名工 尾形乾山とは 京焼・清水焼を語る上で欠かせない歴史上の重要な陶工、尾形乾山(…) 続きを読む しかし、資料や作品を見るだけでは乾山の実像を伝えるのは限界があり、知識人に話を聞かなくては…と思っていました。 そこで、乾山の作品を多数所蔵・展示をされているMIHO MUSEUMさんに取材依頼をお願いしたところ、なんと快く承諾いただけました。 コトポッターは老舗でもない怪しいカタカナ名のECサイトですし、突然の依頼だったので、正直インタビューはお断りをいただくと思っていましたが、懐が深い美術館さまです! 今回のインタビューで乾山の実像と魅力を深堀りできればと思います。 MIHO MUSEUM 営業時間:午前10時~午後5時(最終入館午後4時) 休館日:HPの営業カレンダーをご覧ください アクセス MIHO MUSEUM 畑中さんに聞く"乾山" 2024年12月中旬、取材の許可をいただき、京田辺の事務所から車で一時間ほどのMIHO MUSEUMさんに行ってきました! MIHO...
専門家と考える乾山 1/4 ~MIHO MUSEUM・畑中さんに聞く!乾山とは?~
ブログをご覧の皆様。こんにちは。 コトポッター店主の横山です。 現代まで続く京焼・清水焼の基盤を作った江戸時代の陶工・尾形乾山。 日本陶芸の発展に絶大な影響を与え、独自の世界観を陶芸で表現してきた陶工です。 コトポッター「京焼・清水焼の世界」では、これまで乾山に関わる記事をいくつか掲載してきました。 尾形乾山の生涯と足跡をめぐる 今回は京都の乾山の足跡をめぐりながら、乾山の生涯を回想していきたいと思います。 続きを読む 京焼・清水焼の名工 尾形乾山とは 京焼・清水焼を語る上で欠かせない歴史上の重要な陶工、尾形乾山(…) 続きを読む しかし、資料や作品を見るだけでは乾山の実像を伝えるのは限界があり、知識人に話を聞かなくては…と思っていました。 そこで、乾山の作品を多数所蔵・展示をされているMIHO MUSEUMさんに取材依頼をお願いしたところ、なんと快く承諾いただけました。 コトポッターは老舗でもない怪しいカタカナ名のECサイトですし、突然の依頼だったので、正直インタビューはお断りをいただくと思っていましたが、懐が深い美術館さまです! 今回のインタビューで乾山の実像と魅力を深堀りできればと思います。 MIHO MUSEUM 営業時間:午前10時~午後5時(最終入館午後4時) 休館日:HPの営業カレンダーをご覧ください アクセス MIHO MUSEUM 畑中さんに聞く"乾山" 2024年12月中旬、取材の許可をいただき、京田辺の事務所から車で一時間ほどのMIHO MUSEUMさんに行ってきました! MIHO...
京焼・清水焼の窯元・陶芸家
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暮らしに溶け込むシンプルな美と温もり 長元宏
日々の暮らしに溶け込む シンプルな美と温もり。 南丹市日吉町の静かな里山に工房を構える陶芸家、長元宏氏。 1959年生まれの彼は、陶工専門校を卒業後、御室焼の名窯・和善陶苑での修行を経て現在の場所で独立した。 その道のりには、陶芸への尽きることのない情熱と探究心が息づいている。 工房に足を踏み入れると、まず耳に届くのはロクロが静かに回る音。 湿り気を帯びた粘土が彼の指先に呼応し、少しずつその姿を現していく。 シンプルで魅力的なうつわを生み出す背景には、和善陶苑時代に培った高度なロクロの技術がある。 京焼・清水焼のうつわは、特に料亭や割烹などで使用される和食器において、極めて高い精度が求められる。 ロクロのわずかな寸分の違いも許されない世界だ。 そのような厳しい環境で鍛えられた技術を持つ長元宏氏は、現在では減少しつつある伝統技術を継承する貴重な存在と言える。 手触りから素材の状態を読み取りながら、長元氏はひたむきに作品へ命を吹き込んでいく。 穏やかな表情を浮かべつつも、その眼差しには深い集中力が宿る。 彼の作品はシンプルでありながら、どこか特別な温かみを感じさせるものばかりだ。 その秘密のひとつが、独自に調合された釉薬にある。時には調合した釉薬どうしを混ぜたり、焼き方を変えることで新しい色彩を生み出す。 窯の中で火の力を借り、釉薬が表情を変えていくその瞬間。 長元氏は長年の経験と勘を頼りに、新しい色味のうつわを生み出している。 彼の作品には、まるで自然が作り出したような豊かなグラデーションが映し出されている。 彼の作るうつわは、手に取ると驚くほど使いやすいと評判だ。 洗練されたデザインと実用性が融合し、毎日の食卓をさりげなく彩る。 洗練されたフォルムと複雑な色彩は日常にそっと寄り添う魅力がある。...
暮らしに溶け込むシンプルな美と温もり 長元宏
日々の暮らしに溶け込む シンプルな美と温もり。 南丹市日吉町の静かな里山に工房を構える陶芸家、長元宏氏。 1959年生まれの彼は、陶工専門校を卒業後、御室焼の名窯・和善陶苑での修行を経て現在の場所で独立した。 その道のりには、陶芸への尽きることのない情熱と探究心が息づいている。 工房に足を踏み入れると、まず耳に届くのはロクロが静かに回る音。 湿り気を帯びた粘土が彼の指先に呼応し、少しずつその姿を現していく。 シンプルで魅力的なうつわを生み出す背景には、和善陶苑時代に培った高度なロクロの技術がある。 京焼・清水焼のうつわは、特に料亭や割烹などで使用される和食器において、極めて高い精度が求められる。 ロクロのわずかな寸分の違いも許されない世界だ。 そのような厳しい環境で鍛えられた技術を持つ長元宏氏は、現在では減少しつつある伝統技術を継承する貴重な存在と言える。 手触りから素材の状態を読み取りながら、長元氏はひたむきに作品へ命を吹き込んでいく。 穏やかな表情を浮かべつつも、その眼差しには深い集中力が宿る。 彼の作品はシンプルでありながら、どこか特別な温かみを感じさせるものばかりだ。 その秘密のひとつが、独自に調合された釉薬にある。時には調合した釉薬どうしを混ぜたり、焼き方を変えることで新しい色彩を生み出す。 窯の中で火の力を借り、釉薬が表情を変えていくその瞬間。 長元氏は長年の経験と勘を頼りに、新しい色味のうつわを生み出している。 彼の作品には、まるで自然が作り出したような豊かなグラデーションが映し出されている。 彼の作るうつわは、手に取ると驚くほど使いやすいと評判だ。 洗練されたデザインと実用性が融合し、毎日の食卓をさりげなく彩る。 洗練されたフォルムと複雑な色彩は日常にそっと寄り添う魅力がある。...
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守り神、鍾馗に命を宿す 吉田瑞希
守り神、鍾馗に命を宿す 陶芸家 吉田瑞希 京都・東山の工房で鍾馗(しょうき)像を作り続ける陶芸家、吉田瑞希。 鍾馗は、中国の道教に由来する魔除けの神。 その長い髭、官人の衣装、剣を手にした姿には力強さがあり、日本でも古くから信仰されてきた。 雪舟・鍾馗図。江戸時代 (出展:Colbase https://colbase.nich.go.jp) 大学時代、吉田は京都の町屋の屋根に飾られている鍾馗像を見てその存在感と威厳に魅了され、鍾馗の文化継承と作陶に全力を注いだ。 陶器神社として知られる五条若宮八幡宮の中に鍾馗神社を設立するために呼びかけ、その実現に尽力した。 鍾馗神社にある人の背丈ほどの大きな鍾馗の像は、吉田が大学時代に制作したもので、伝統技法を駆使しつつ、試行錯誤を重ねた末に完成した。 そして今も伝統的な鍾馗像を陶芸という形で現代に蘇らせている。 吉田は手びねりや型起こしを駆使して、一つひとつ丁寧に鍾馗像を作り上げる。 吉田の作る鍾馗像は、その伝統的な威厳のある姿はそのままに、陶器ならではの柔らかさや温かみが加わり、独自の魅力を持つ作品が生まれる。 工房は清水寺のほど近くにあり、若手陶芸家たちが集まる共同の作業場と窯を共有している。 陶芸を志す仲間とともに和気あいあいとした雰囲気の中で、制作が進められる。 作陶だけにとどまらず、鍾馗文化の普及にも積極的に取り組み続けている。 毎年、鍾馗神社で行われる鍾馗祭にも関わり、地域に息づく鍾馗文化を未来へ繋ぐ役割を果たしている。 ...
守り神、鍾馗に命を宿す 吉田瑞希
守り神、鍾馗に命を宿す 陶芸家 吉田瑞希 京都・東山の工房で鍾馗(しょうき)像を作り続ける陶芸家、吉田瑞希。 鍾馗は、中国の道教に由来する魔除けの神。 その長い髭、官人の衣装、剣を手にした姿には力強さがあり、日本でも古くから信仰されてきた。 雪舟・鍾馗図。江戸時代 (出展:Colbase https://colbase.nich.go.jp) 大学時代、吉田は京都の町屋の屋根に飾られている鍾馗像を見てその存在感と威厳に魅了され、鍾馗の文化継承と作陶に全力を注いだ。 陶器神社として知られる五条若宮八幡宮の中に鍾馗神社を設立するために呼びかけ、その実現に尽力した。 鍾馗神社にある人の背丈ほどの大きな鍾馗の像は、吉田が大学時代に制作したもので、伝統技法を駆使しつつ、試行錯誤を重ねた末に完成した。 そして今も伝統的な鍾馗像を陶芸という形で現代に蘇らせている。 吉田は手びねりや型起こしを駆使して、一つひとつ丁寧に鍾馗像を作り上げる。 吉田の作る鍾馗像は、その伝統的な威厳のある姿はそのままに、陶器ならではの柔らかさや温かみが加わり、独自の魅力を持つ作品が生まれる。 工房は清水寺のほど近くにあり、若手陶芸家たちが集まる共同の作業場と窯を共有している。 陶芸を志す仲間とともに和気あいあいとした雰囲気の中で、制作が進められる。 作陶だけにとどまらず、鍾馗文化の普及にも積極的に取り組み続けている。 毎年、鍾馗神社で行われる鍾馗祭にも関わり、地域に息づく鍾馗文化を未来へ繋ぐ役割を果たしている。 ...
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京の雅を宿す器 岩華窯 高木竜太
京都・清水焼の魅力が詰まった「岩華窯」は、六代目・高木竜太氏と熟練職人たちが手がける窯元です。透明感のある白磁に染付や鉄絵が施された器は、清水焼の伝統と現代的な美意識が融合した気品ある佇まいが特徴です。沖縄で学んだ「トルコブルー」の青も取り入れた一部作品は、日常に爽やかさを添える特別な逸品です。日常の食卓を雅やかに彩る岩華窯の作品が、京都の雅をそっと届けます。
京の雅を宿す器 岩華窯 高木竜太
京都・清水焼の魅力が詰まった「岩華窯」は、六代目・高木竜太氏と熟練職人たちが手がける窯元です。透明感のある白磁に染付や鉄絵が施された器は、清水焼の伝統と現代的な美意識が融合した気品ある佇まいが特徴です。沖縄で学んだ「トルコブルー」の青も取り入れた一部作品は、日常に爽やかさを添える特別な逸品です。日常の食卓を雅やかに彩る岩華窯の作品が、京都の雅をそっと届けます。
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岩華窯 6代目 高木竜太さん インタビュー
ブログをご覧の皆様、こんにちは。 コトポッター店主の横山です。 今回は明治初期より続く窯元 岩華窯の6代目当主 高木竜太さんにインタビューをしてきました。 染付や鉄絵といった伝統技法のうつわ作りを継承しつつ、沖縄の修業期間でえた着眼点をもとに新しい挑戦をする高木さん。 岩華窯の歴史をたどりながらお話しを聞いてきました。
岩華窯 6代目 高木竜太さん インタビュー
ブログをご覧の皆様、こんにちは。 コトポッター店主の横山です。 今回は明治初期より続く窯元 岩華窯の6代目当主 高木竜太さんにインタビューをしてきました。 染付や鉄絵といった伝統技法のうつわ作りを継承しつつ、沖縄の修業期間でえた着眼点をもとに新しい挑戦をする高木さん。 岩華窯の歴史をたどりながらお話しを聞いてきました。
京焼・清水焼を取り入れたテーブルコーディネート
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【ブレイクタイム】ほっと一息するときに使いたい清水焼のうつわ
お仕事や家事で日々お忙しいことかと存じます。 珈琲や紅茶にクッキーやケーキを用意して合間にゆったりする時間をつくってはいかがでしょうか。 そんなブレイクタイムに使いたい清水焼のうつわをご紹介します。
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【朝食】モーニングにピッタリな京焼・清水焼
一日をアクティブに過ごすには朝の過ごし方がとても大事です。 お気に入りのうつわで素敵なモーニング。 今回は朝食にピッタリな京焼・清水焼のうつわをご紹介します。
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【洋食】京焼・清水焼をつかった洋のテーブル 2024年秋
伝統工芸品って和のイメージがありますよね。 京焼・清水焼もやはり和食器が多いのは事実ですが、洋のシーンで使っても素敵な器がたくさんあります。 今回は洋のテーブルで使える京焼・清水焼のうつわをご紹介します。
【洋食】京焼・清水焼をつかった洋のテーブル 2024年秋
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【和食】秋に使いたい清水焼のうつわ 2024年秋
暑さも少し落ち着いてきて、秋の到来を感じるようになってきました。今回は、高級料亭でも多く使われるハイクラスな京焼・清水焼の食器をご紹介します。
【和食】秋に使いたい清水焼のうつわ 2024年秋
暑さも少し落ち着いてきて、秋の到来を感じるようになってきました。今回は、高級料亭でも多く使われるハイクラスな京焼・清水焼の食器をご紹介します。
京焼・清水焼 おすすめ商品紹介
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食卓をたのしく!清水焼のかわいいうつわ 8選
京焼・清水焼に限らず、伝統工芸ってかわいいとは離れたイメージがありますよね。 美麗さや渋い雰囲気も伝統工芸らしい特徴ですが、若い感性がつくるかわいい清水焼もあります。 そこで今回は”かわいい”にフォーカスして京焼・清水焼をご紹介します。
食卓をたのしく!清水焼のかわいいうつわ 8選
京焼・清水焼に限らず、伝統工芸ってかわいいとは離れたイメージがありますよね。 美麗さや渋い雰囲気も伝統工芸らしい特徴ですが、若い感性がつくるかわいい清水焼もあります。 そこで今回は”かわいい”にフォーカスして京焼・清水焼をご紹介します。
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京焼・清水焼のおすすめの湯呑 10選
お食事のときや仕事の合間、お茶の時間など使うシーンが多い湯呑。 お茶や紅茶、コーラでもなんでも使える便利なうつわです。 装飾が凝ったものや実用性重視のものなど、皆様にはお気に入りのお湯呑があることかと存じますが、ぜひ京焼・清水焼のお湯吞もお気に入りに加えてください。
京焼・清水焼のおすすめの湯呑 10選
お食事のときや仕事の合間、お茶の時間など使うシーンが多い湯呑。 お茶や紅茶、コーラでもなんでも使える便利なうつわです。 装飾が凝ったものや実用性重視のものなど、皆様にはお気に入りのお湯呑があることかと存じますが、ぜひ京焼・清水焼のお湯吞もお気に入りに加えてください。
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京焼・清水焼のおすすめマグカップ 10選
モーニングや仕事の合間など、使う場面が多いマグカップ。 京焼・清水焼でも様々なマグカップが作らています。 今回はコトポッターでおすすめのマグカップをご紹介します。
京焼・清水焼のおすすめマグカップ 10選
モーニングや仕事の合間など、使う場面が多いマグカップ。 京焼・清水焼でも様々なマグカップが作らています。 今回はコトポッターでおすすめのマグカップをご紹介します。
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京焼・清水焼の新風 モダンなうつわ8選
伝統工芸品って「古き良き」ってイメージがありますよね。 京焼・清水焼ではもちろん古き良き器はたくさんありますが、モダンな器を作られている陶芸家の方々も多くいます。 そこで今回は和洋問わず使えるモダンな器をご紹介します。
京焼・清水焼の新風 モダンなうつわ8選
伝統工芸品って「古き良き」ってイメージがありますよね。 京焼・清水焼ではもちろん古き良き器はたくさんありますが、モダンな器を作られている陶芸家の方々も多くいます。 そこで今回は和洋問わず使えるモダンな器をご紹介します。
店主の日記 不定期更新
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京都伝統工芸大学TASK 松葉祭2024行ってきました!
京都北部の園部にある京都伝統工芸大学(TASK)、名の通り伝統工芸を実践的に教える学校です。 松葉祭では学生の製作物の展示や販売をしていて、京都の伝統工芸の次世代を担う方々の作品を見れる貴重な機会となっています。 今回は松葉祭の見どころをピックアップしてご紹介します!
京都伝統工芸大学TASK 松葉祭2024行ってきました!
京都北部の園部にある京都伝統工芸大学(TASK)、名の通り伝統工芸を実践的に教える学校です。 松葉祭では学生の製作物の展示や販売をしていて、京都の伝統工芸の次世代を担う方々の作品を見れる貴重な機会となっています。 今回は松葉祭の見どころをピックアップしてご紹介します!
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行ってきました!清水焼の郷まつり2024
長く続いた暑さが少しやわらぎ、だんだんと過ごしやすくなってきたこの頃です。 10月18日~20日、京都最大級の陶器市「清水焼の郷まつり2024」に行ってきました! 初出店の窯元や陶芸作家さんも多く、毎年行っている方でも楽しめたのではないでしょうか。 私が特に気になった窯元さんをご紹介いたします!
行ってきました!清水焼の郷まつり2024
長く続いた暑さが少しやわらぎ、だんだんと過ごしやすくなってきたこの頃です。 10月18日~20日、京都最大級の陶器市「清水焼の郷まつり2024」に行ってきました! 初出店の窯元や陶芸作家さんも多く、毎年行っている方でも楽しめたのではないでしょうか。 私が特に気になった窯元さんをご紹介いたします!
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